薫の野郎猫的日常
2017年01月11日 (水) | 編集 |
熊本在住、熊本地震被災者であり、被災後の「同行避難」「同伴避難」を現在進行形で熊本行政に働きかけ、有益な情報を発信し続けている、しっぽ家族の同居人のくまモン(熊本人の意味)、HUG THE BROKENHEARTSさんの了解を得て、HUGさんのfacebookから、熊本地震被災体験から得た「同行避難」検証レポートを転載させていただきます。

お一人でも多くの方に熟読していただき、皆様の居住地域のために生かしていきたいですね。
被災地&被災者の生の声こそ我らが指標なり。


4月に起きた熊本震災におけるペット「同行避難」。震源地益城町、熊本市内他10数か所の状況を実際に確認し、多くの飼い主、行政の人々にインタビューした「同行避難」の検証レポートです。

震災直後益城町と熊本市内の多くの避難所では「室内同伴」の状態でした。避難所側も、飼い主側も「同行避難」に対する認識は不足していましたが、同行避難して来た避難者たちをペット同行だから断る事が出来る状況でもなかった事,社会化が出来ていない犬や大型犬を飼っている飼い主たちは自らの判断で車中泊やテント生活、また犬猫たちを自宅に置き同行避難避難しなかったを事。

それによって避難所には比較的社会化された小型犬たちが多かった事で震災直後の同行避難は比較的成功していた様に感じました。

各避難所の状況はペット同伴の人とそうでない人が混在した状態の避難所、学校の技術室にペットとその家族たちは分離されていた避難所、飼い主側や避難所運営側の努力によって「室内同伴」出来ていた状況でした。県や自治体からペット同伴者への対応の具体的な指示が出ていない状況の中で「室内同伴」出来ていた避難所もたくさんあったと言う事です。

しかし、事前にペット同伴者とそうでない人たちとのスペース分離は考えられてはいなかったし、ペット同伴者が同行避難して来る事はわかっていたのに実際にはその事で起きるトラブルやクレームは行政にとっては「想定外」の事の様な状態でした。

現実をこの目で見て思うのは災害直後はほぼ全ての避難所が「室内同伴」するべきで、「室内同伴」出来ない避難所をいくつか事前に指定するべきだと思います。

そして「室内同伴」している間に動物問題に対する対策を取る。

もちろん「室内同伴」を成功させる為には飼い主とそうでない人たちとのスペースの分離は必要で、それは各避難所が事前に準備しておくべき事です。

また、今回躾けや社会化が出来なかった犬たちの飼い主の人たちが車中泊やテント生活を送り、エコノミークラス症候群や熱中症による「人の命」の危機に瀕していた事が大きな問題となりましたが、そこは飼い主の人たちが事前に準備しておくべき事で、災害時の避難所と言う特殊な環境の中で躾けや社会化が出来ていない犬と「室内同伴避難」する事は非常に難しい事です。

熊本震災を教訓として、犬の躾けや社会化が災害と言う緊急時には人命にも影響すると言う認識をするべきだし、行政側もそれを啓蒙するべきです。

そして重要なのは避難生活の「今後」を飼い主にも、そうでない人たちにも「明確」に「提示」する事です。「室内同伴」出来る期間を両方に「明示」する事で避難所内で気を遣う飼い主たちも、犬や猫が避難所内にいる事で迷惑する人たちも「我慢」する事が可能になり、クレームやトラブルの減少に繋がります。

先行きが見えなければ例えそれが犬や猫がその原因ではなくともトラブルになり、飼い主も犬や猫も苦しむ事になります。先行きが見えなければそのストレスは弱い立場の人たち、動物たちへ向かうのです。

益城町、熊本市、御船町、宇城市、その他多くの現場で行政や避難者の生の声を聞き、この目で現状を見て思うのは「ペットは家族なんだから何が何でも室内同伴させろ」と言う事は理想であるのかもしれないけど、現状からかい離し過ぎているし、実際に被災地熊本でそんな事を言っていた飼い主は皆無だったと思います。

そして「いつも一緒にいる」事は「被災者」である飼い主にとってはマイナスの面もあります。「大切な家族」であるからこそペットたちが「被災者」である飼い主の行動を制限してしまい、二次被災の危険性が増したり、日常の生活を取り戻すのが遅れたりしてしまいます。実際に益城町わんにゃんハウスの飼い主さんたちは「最初は預ける事も不安だったけど、預けてよかった、家の片付けや色々と動けた」「わんにゃんハウスに預けてから仕事に復帰出来た」と仰っています。災害時には飼い主がいる動物達の一時預かり施設は必要です。それは動物愛護であるとともに被災者支援でもあります。

行政側、飼い主側が準備すべき事。

今回熊本で示された様々な形の支援「益城町いぬネコ家族プロジェクト」の様な避難所併設の預かり施設、「ピースウィンズジャパン」の同伴テント、「竜之介動物病院」や南阿蘇のペンションの様な民間の預かり施設、獣医師会や愛護センター、更に国。今回様々な人々が同行避難を成功させる為に動きました。被災した地元自治体がすぐに動物たちの問題で動く事は不可能です。全国の力を借りなければ即応出来ません。

その為にも自治体は日頃からこの様な民間団体や近隣の県の行政と連携を取り、事前協定を結ぶべきです。実際今回被災地熊本の民間も行政も被災して震災直後は動けませんでした。災害に対しては広域的な連携が必要です。

協定外にも自治体は災害が起きれば必ず人と一緒に動物たちが避難して来て、その事がトラブルに繋がると言う認識の元に事前に打てるだけの対策をしておく事です。各避難所の区域の動物の飼育頭数の把握、スペース分離の計画、住民への啓蒙活動、事前にやれる事はたくさんあります。災害時は動物の問題がすぐに人間の問題に繋がる事を認識し、動物愛護の観点だけではなく、被災者支援として考えるべきです。

一方飼い主は日頃からゲージに入れる様にして置く事、日頃の健康管理とその記録、しつけや社会化訓練、また一番大事な事は飼い主自身のマナーです。

避難所で散歩させて糞の処理をやらなければ同行避難が成功する訳がありません。例えば人を見れば吠えまくる犬も、日常広い庭で飼われていればなんとかなっても、避難所や仮設ではそれが大きな問題となってしまいます。

不妊去勢、ワクチン接種、そんな事も集団生活の中では問題になり、犬や猫だけではなく飼い主も困る事になるのです。

今の社会が本当の意味で「人と動物が共生している社会」ならば同行避難も室内同伴も上手く行くのかも知れません。でも現実は全く違っていて、同行避難は必ずトラブルになってしまう社会です。

災害時の動物対策の大きな柱は特別な事ではなく、飼い主の人々の意識とマナーの向上と言う当たり前の事を地道に啓発する事です。

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