薫の野郎猫的日常
2016年10月28日 (金) | 編集 |
★今日は久々に「医龍4」でヒラミキさんと岳大さんに会おうと思う。

20161028平幹二朗告別式@青山葬儀所  


昨日まであんなにいいお天気だったのに、今日は肌寒い「涙雨」。

昨日のお通夜は都合で出席できなかったので、今日の告別式に参列。

青山葬儀所で平幹二朗さんと最期のお別れをし、出棺を見送る。


出棺で流れたのは、平さんが1978年以来、繰り返し演じた「王女メディア」の劇中で使用されたヘンデルの「サラバンド」。

亡くなる前夜、平さんと佐久間さんの間にできた双子のお子さん、岳大さんの妹さんにお子さんができたので、まだまだ新婚の岳大さんご夫妻、妹さんご家族とともに平さんは、初孫を囲み初めて「家族の会話」ができたそうです。その夜、大好きなワインなどを痛飲した平さんを自宅まで送り、ベッドに座らせた岳大さんが「もう飲まないで下さいよ」と言うと、子供が親を見るようなかわいい目をした平さんが「タケ、もう帰りなさい」と微笑んだ……平さん、死の直前に、離婚して初めて、いや、もしかしたら生まれて初めてだったかもしれない…「普通の父親」「普通のおじいちゃん」として「普通の家庭」の味を堪能できたといっていいのでは?よかったね、平さん。ほんとうに、よかった!!

なんとステキな空気感。まるで舞台の一場面のよう。

最期の最後まで舞台の神様に愛された役者でした。

そして・・・

最期の最後に一人の「人」として「男」として、「父」として「祖父」として、もしかしたら「(元)夫」として生きられた。

もしかしたら…考えたくないけど、もしかしたら…

ここにきて最期の願いが適えられたから、適っちゃったから…だからプツッと命の糸が切れちゃったかな?

それがこの世に遣わされた時の神との契約だった?

まるで、ギリシャ神話の中の3人の魔女が操る命の糸のように…

・糸を紡ぐクロト(糸車)
・長さをはかるラケシス(虫眼鏡)
・最後にプチンと切るモイラ(ハサミ)

切れた?

それとも、切った?

そう考えるとどこまでも平さんは舞台の世界の住人なのかもしれない。

「俳優は演じる役の中に真実がある」という小巻さんの言葉、

そして、最期の夜の父を語る岳大さんの姿を反芻する雨の中、私の中で勝手にたどり着いた結論。

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さようなら、ヒラミキさん!!


★以下、栗原小巻の弔辞全文
 あまりにも突然のご不幸、ご遺族の皆様の悲しみ、友人の皆様のお気持ち。私も同じに胸のつぶれる思いです。
 平さんのご遺影を前にして遥かな頃が思い出されます。恩師・千田是也主催、劇団俳優座に平さんも私も在籍していました。稽古場で、舞台で表現される平さんの演技にはスタニスラスキーの言葉を借りれば「感動の瞬間」がありました。平さんの俳優としての優れた才能、その誠実さ、うちに秘めた情熱。私たち後輩は憧れに近い尊敬の気持ちをもっていました。
 若き日の平さんの代表作・大河ドラマの「樅ノ木は残った」では、原作にない初恋の相手として共演させて頂きました。平さんの役を作り上げる力。そして激しい雨に打たれながらの魂の悩み苦しむ演技に圧倒されました。「俳優は役の中に真実がある」。平さんは言葉ではなく演じる姿で教えて下さいました。
 その他多くのドラマでご一緒させて頂きました。舞台での共演、浅利慶太氏演出「狂気と天才」。ジョンデイビッド氏演出「オセロ」。蜷川幸雄さんの「三文オペラ」。舞台を作る時、女優には葛藤もあれば感情の戦いがあります。平さんの「一緒にやろう」というお電話で決断致しました。平さんとなら調和の中で詩のように美しい作品ができる。思い返すと、どの作品も場面も今鮮やかに感じることができます。
 「NINAGAWA・マクベス」は平さんとの最後の共演作になりました。絶望的な悲しさ孤独。私たちは言葉の伝わらないオランダの地で力を尽くしました。後にプロデューサーは「世界を手に入れた」と、そんな風に評価して下さいました。
 平幹二朗さんの芸術への強い意志と、純粋な精神はご子息・平岳大さんに引き継がれます。平さん、有り難うございました。どうぞ、安らかに。栗原小巻


★以下、長男で喪主の俳優・平岳大あいさつ全文
 本日は父・平幹二朗の葬儀にお越し頂きましてありがとうございました。生前、父は、という言葉をいつか自分も言う日がくるだろうなと思ってましたが、こんなに早く唐突に来るとは思いませんでした。皆様におかれましても、このようなお知らせを差し上げることになったこと、お詫び申し上げます。
 生前、父は、どんな逆境に立たされても、不死鳥のようによみがえってくる人でした。30年前の肺がんを患った時も、それから小さな大病を患った時も、小さな奇跡を起こしながら、復活を遂げてきました。
 それで、パワーが衰えるかなと僕は思っていたんですが、なぜか病気をすればするほどパワーアップしていくという、不思議な人でした。
 僕が言うことでもありませんが、その原動力になっていたのは芝居だと思います。そんな平幹二朗をこれまで支えて下さった皆様、本当にありがとうございました。
 最後の晩、実は最近、私の妹に子供が生まれまして、しばらく忙しくしていた父はその子供に会えなかったので、先週の金曜日に私と妻と父とで、妹の家にその子供の顔を見に行きました。皆さんご存じかも知れませんが、あまり子供の扱いに慣れていない父は、遠くの方から、最初は不思議そうに子供の顔を見ていたんですが、だんだん慣れてくると、最後にはあの太い大きな繊細な手で赤ん坊を抱きかかえ、哺乳瓶でミルクをあげていました。
 それに気を良くしたのか、その晩、大好きなワインをたくさんいただきました。そして、今まで僕と妹と父ができなかった家族の会話ができました。
 そしてそれにまた気をよくしたのか、さらにお酒をいただき、僕はフラフラの父を抱きかかえて、父の家に帰り送り届けベッドの上に座らせて、もう飲むなよって言ったんですが、その時、父は子供が親を見るようなかわいい顔をして「タケ、もう帰りなさい」って笑っていました。
 父は幸せだったと思います。そんな平幹二朗をこれまで支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。

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