2016年07月12日 (火) | 編集 |
万里の保護主さま
こんばんは。
腫瘍ではありませんでした。
多少の感染症(培養結果は後日)はありましたが、
炎症でもありませんでした。
でも明らかに呼吸が苦しそうだし、
鼻が詰まっていると思われる。
そこで鼻鏡で咽頭の裏まで隅々診たところ…
わかりました!
口腔内の人間で言うと口の奥の口蓋鼻部、口蓋咽頭部と鼻腔を繋ぐあたりに
通常なら鼻の穴の裏側を覗ける程度の大きさでぽっかり開いているはずの穴が
針の穴ほどしか開いていない、いわゆる遺伝性(先天性)の『狭窄』でした。
針の穴ほどしか開いていない、いわゆる遺伝性(先天性)の『狭窄』でした。
その狭い穴を猫風邪からと思われる鼻水が塞いでいる状態でした。
通常の猫であればくしゃみひとつで楽になるけれど、
先天的奇形のバンはそれができなくて逆くしゃみしていたんですね。
これまで何度もメールでご報告していた、あの我が家に来てからずっとあった
「水のみの際のむせ」「咳込み」「吐出」もすべてこれが原因だったと考えられます。
最近よく脱水してるけど、これも水飲みが減ってるから。あれだけ水飲んでた子が。
これもきっと狭窄のせいでしょうね。
最近よく脱水してるけど、これも水飲みが減ってるから。あれだけ水飲んでた子が。
これもきっと狭窄のせいでしょうね。
なので、鼻鏡で穴を切り開き大きくしました。
採取した鼻水と切り開いた部位の病理検体の結果は後日わかりますが、
いずれにせよ、悪性のものではなく、治療で完治するモノでした。
もし今後、切り開いた穴がまた狭窄する場合は、
バルーンカテーテルを使って穴を固定する施術も考えています。
しかし、大学病院の担当医も驚いていました。
これまでこんな症例に当たったことがないくらい珍しいものらしいですよ。
食道狭窄はたまにあるらしいですが、口蓋と鼻腔の間の穴の狭窄は
生まれて初めて見た、とても珍しい、とのこと。
なので臨床例がない(笑)
研究書や世界中の臨床レポートをこれから読みまくります、と先生も興奮気味。
研究書や世界中の臨床レポートをこれから読みまくります、と先生も興奮気味。
知ってる限り、どこをどうやって治療するのか先例がないけれど、
食道の狭窄と同じバルーンカテーテルが有効なのではないか、と。
しかし、まずは切開して狭窄を広げたので、これで様子観察。
あとは切開の傷のための抗生剤、
培養で後日判明する感染症の鼻水にマッチした抗生物質の投与で大丈夫です。
今日はまだ麻酔も覚めておりませんし切開部の出血もあるので
用心のため病院で一泊します。
明日お迎えに行ってまいります。
後日判明する培養と病理の結果はまた改めてご報告いたします。
薫@千太組
★追記(2016年7月13日 12:59PM)
担当医より出血も止まり呼吸も安定していると連絡を受けたので、
農工大動物医療センターへバンをお迎えに。
そこで新たな報告がありました。
バンの病名は「鼻咽頭狭窄」
※http://www.fpc-pet.co.jp/cat-disease/sickness.php?sick=0083
※http://www.sagamigaoka-ac.com/clinic_director/pdf/training_0809.pdf
先天性ではなく後天性で猫風邪や吐出を繰り返すうちに鼻腔から鼻咽頭道にかけて、収縮を繰り返し、その内に【膜様構造物】と称する襞が幾重にも形成され、鼻道が狭くなっていく病気です。
今回は患部を切開し狭窄を広げましたが、もし鼻雑音が聞こえるなど以前の状態に逆戻りしたと思えるような症状がちょっとでも見えたら、つまり狭窄が再発した場合は、銀髪のヅラ被ったエンケンさん登場の「医龍3」でも出てきたバルーンダイレーター(カテーテル)を設置して狭窄を拡張することになります。ただし、このバルーン設置術も個体差があり、1度で安定する子もいれば、何度かやり直しせねばならない子もいるとのこと。でも必ず何度目かの施術で安定する時が来るそうです。
傷口からまだ出血しているので1週間、ステロイド服用。抗生剤は6日にコンべニア注射しているので不要。
「強い子」「我慢強い子ですね」と研修医の先生から褒められました。そう、バンは本当にいい子!さすが、番長のバンです。が、帰宅したら昨日からご飯も水も口にしていないにもかかわらず、一目散に腰抜けスタイルの匍匐前進でベッド下へ(笑)そう、バンは外弁慶!家じゃからっきしだらしない子です。あれだけ苦しそうだった呼吸がすっかり穏やかな息遣いに戻っていました。ただし、出血は止まっていますが鼻の中で血の塊になっているモノがなんかの拍子にぶはっと出てくるかもしれませんけど驚かないで、と(笑)
薫@千太組
★追記(2016年7月13日 12:59PM)
担当医より出血も止まり呼吸も安定していると連絡を受けたので、
農工大動物医療センターへバンをお迎えに。
そこで新たな報告がありました。
バンの病名は「鼻咽頭狭窄」
※http://www.fpc-pet.co.jp/cat-disease/sickness.php?sick=0083
※http://www.sagamigaoka-ac.com/clinic_director/pdf/training_0809.pdf
先天性ではなく後天性で猫風邪や吐出を繰り返すうちに鼻腔から鼻咽頭道にかけて、収縮を繰り返し、その内に【膜様構造物】と称する襞が幾重にも形成され、鼻道が狭くなっていく病気です。
今回は患部を切開し狭窄を広げましたが、もし鼻雑音が聞こえるなど以前の状態に逆戻りしたと思えるような症状がちょっとでも見えたら、つまり狭窄が再発した場合は、銀髪のヅラ被ったエンケンさん登場の「医龍3」でも出てきたバルーンダイレーター(カテーテル)を設置して狭窄を拡張することになります。ただし、このバルーン設置術も個体差があり、1度で安定する子もいれば、何度かやり直しせねばならない子もいるとのこと。でも必ず何度目かの施術で安定する時が来るそうです。
バンが長年暮らしていたであろう劣悪な環境であればまた再発するでしょうけど、
格段に良くなっている(と思いますけど)環境での生活ですからね。
できれば、今回の切開術で安定してほしいものです。傷口からまだ出血しているので1週間、ステロイド服用。抗生剤は6日にコンべニア注射しているので不要。
「強い子」「我慢強い子ですね」と研修医の先生から褒められました。そう、バンは本当にいい子!さすが、番長のバンです。が、帰宅したら昨日からご飯も水も口にしていないにもかかわらず、一目散に腰抜けスタイルの匍匐前進でベッド下へ(笑)そう、バンは外弁慶!家じゃからっきしだらしない子です。あれだけ苦しそうだった呼吸がすっかり穏やかな息遣いに戻っていました。ただし、出血は止まっていますが鼻の中で血の塊になっているモノがなんかの拍子にぶはっと出てくるかもしれませんけど驚かないで、と(笑)
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