薫の野郎猫的日常
2017年02月12日 (日) | 編集 |

終末期患者に一切の治療を行なわない「平穏死」提唱の医師

NEWS ポストセブン 2/12(日) 7:00配信

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 日本では安楽死が法的に認められておらず、終末期における尊厳死をとりまく現状も、法整備がすすまないまま医師が逮捕される事件がたびたび起きるなど、厳しい。

 なお、安楽死は「積極的安楽死」と「消極的安楽死」のふたつに分類される。前者は「医師が薬物を投与し、患者を死に至らす行為」。後者は「医師が治療を開始しない、または治療を終了させ、最終的に死に至らす行為」と定義される。

 そして、「安楽死」とは別に「自殺幇助」という方法による死に方もある。こちらも、安楽死同様、「積極的自殺幇助」と「消極的自殺幇助」のふたつに分けて考えられる。前者は、「医師が薬物を投与するのではなく、患者自身が投与して自殺する行為」。後者は「回復の見込みのない患者に対し、延命措置を打ち切ること」で、一般的に日本語で表現される「尊厳死」がこれに当たる。

 そんななか、患者の望む「穏やかな最期」を助けるべく、医師たちは、様々な葛藤や迷いを抱えながら日々、戦っている──。東京・西多摩にある日の出ヶ丘病院の小野寺時夫医師は、ホスピス医になったきっかけをこう振り返る。

「私は40年以上、がんの外科手術を行なってきました。しかし、いくら治療しても、苦しんでやがて死を迎える末期がんの患者の姿に胸を痛め、『自分が行なっている治療は本当に患者のためになっているのか』という疑問を抱くことがしばしばあったんです。

 その後、自分が57歳で咽頭がんを患ったことをきっかけに、限られた人生をいかに有意義に過ごすかを考えるようになった。私は、残りの人生は末期がん患者に寄り添い、『苦しまずに最期を』という望みを叶えるための努力をしていきたい」

 小野寺氏は現在、86歳という高齢ながら、終末期医療の最前線で週2回、患者を診ている。

「誤解を恐れずにいえば、私は患者が望めば、延命治療を中止する尊厳死だけでなく、薬で死に至らせる安楽死も認めていいと思っている。少なくとも自分が死ぬ際は尊厳死を選ぶつもりです」

 小野寺氏の終末期医療は、患者の意思を最優先する。その一環として、稀ではあるが、強く希望された場合に施すのが『終末期鎮静』である。

「これは、耐え難い苦痛を取り除くために睡眠薬や麻酔を用いて、患者に眠ったまま最期を迎えさせる処置です。

 鎮静は、本人が希望しても家族の反対があるとできません。痛みに呻き苦しんでいる患者を見ると、いたたまれない気持ちになることもあります」(小野寺氏)

 終末期の患者のために、あえて一切の治療を行なわない選択をする医師もいる。『平穏死という生き方』の著者で、特別養護老人ホーム・芦花ホーム常勤医の石飛幸三氏だ。

「私は尊厳死と呼ばずに、7年前から“平穏死”と呼び、提唱しています。年老いた体が食べ物を受け付けなくなるのは“人生の終わりのサイン”。だから、食べたくないなら、無理に食べさせなくていい。積極的に薬を投与して死に至らせる安楽死とは全く異なるものです」

 同施設では入所した段階で、延命措置を施さないことに対するコンセンサスが入所者とその家族にはかられている。だが、いざ辛い状況を目の前にすると心変わりする家族も少なくないという。石飛氏が続ける。

「病状が変わるたび、家族とわれわれ職員で、たとえ口論になっても、何が本人のためかを徹底的に話し合う。私は平穏死が本人のためになると確信しているから、一切、迷うことはありません」

※週刊ポスト2017年2月17日号

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◎「終末期鎮静」 http://yaroneko.blog55.fc2.com/blog-entry-1828.html ブログ:野郎猫集団「千太組」
◎最期のとき”をどう決める~“終末期鎮静”めぐる葛藤~ | NHK クローズアップ現代+   http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3755/index.html
◎神戸新聞NEXT|連載・特集|平尾誠二さん特集|平尾誠二さん「感謝の集い」 
山中さん弔辞全文 https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/hirao-seiji/201702/0009906130.shtml @kobeshinbunさんから
⇒平尾さんの闘病に関わった山中教授の場合は真逆の立場かもしれないけど、これもまた一読の価値ありですよ。

「終末期鎮静」
まだまだ日本は浸透しないよねぇ。
常勤医86歳…福島の高野病院と同じ状況なのかな?
あとを任せられる若手の医師はいるのかな?
小野寺医師が亡くなったらこの病院はどうなるの?